「アイってなに?」に答えて その4

Bonjour Madame!

昨日も今日も、雨ばかり・・。
なんだか憂鬱になってしまいますね。

でもね、先日来私は楽しみなことが出来ました。

それは、先週のお店の定休日に、
お隣の磐田市にある「香りの博物館」で
「中原淳一展」が開催されておりましたので
まり子と一緒に出かけました。

あの美しい瞳の乙女達の原画に会えて
久々に心が躍りました。
愛読していた「ジュニアそれいゆ」・・
その中で何度も読み返した淳一先生や、
今は大御所となられた方々の若き日の
言葉は、私の胸に今なお息づいていたのだと
大きな感銘を得ました。

まり子は、展示されている絵を観、
それに付いている文章を一つ一つ
丁寧に読んでおりましたが、
「ママの時代は良いね。こんな風に 
ものをじっくり深く考えさせる本があったなんて・・」
と言いますので、私の青春時代が、
なんだか急に輝いて見えるようでした。

帰りにどっさり本を買って来ましたので、
近頃毎晩 眠る前のひと時を、
中原淳一の絵と文をゆっくりと再読して、
本当に楽しんでおります。

この文章は展覧会の入口に
掲げられていたものです。

 もしこの世の中に、
風にゆれる「花」がなかったら、
人の心はもっともっと、荒んでいたかもしれない。
 
 もしこの世の中に「色」がなかったら、
人々の人生観まで変わっていたかもしれない。
 
 もしこの世の中に「信じる」ことがなかったら、
一日として安心しては、いられない。
 
 もしこの世の中に「思いやり」がなかったら、
淋しくて、とても生きてはいられない。
 
 もしこの世の中に「小鳥」が歌わなかったら、
人は微笑むことを知らなかったかもしれない。
 
 もしこの世の中に「音楽」がなかったら、
このけわしい現実から逃れられる時間がなかっただろう。
 
 もしこの世の中に「詩」がなかったら、
人は美しい言葉も知らないままで死んでゆく。
 
 もしこの世の中に「愛する心」がなかったら、
人間はだれもが孤独です。

                  中原淳一 


それでは、連載エッセー [心の糧Ⅱ] 
第20回目をお贈りします。

「アイってなに?」に答えて その4


「アイってなに?」に答えて
           エピソードその4

それからもう一つ お兄さんの思い出・・
お兄さんが病院に入院していた時
見舞いに行くと
お兄さんが ばあばに向かって
「おい しっかりやっているか?」って
大きな手の平を頭に「ボン」と置いたんだよ
おにいさんは 身体の大きい人だったから
小さかったばあばにとっては
それがあまりに強くって 
ばあばは長い事「ぶたれた」と
ずっと思っていたんだよ
それから間もなく
お兄さんは死んでしまったから
悲しくって 悲しくってならなかったのに
それだけは「怒れた・・」思い出だったんだ

或る日 君達とさんざん遊んで 
バイバイ する時
可愛くって 可愛くってならなかったから
力を込めて手の平いっぱい 
たくちゃんの頭に「ボン」と 
乗っけたんだよ
「たくちゃん もうすぐ六年生だね 
がんばってね」って

皆の乗った車が 遠ざかるのを見送りながら
ばあばは 手の平に残る感触をまだ感じながら
・・お兄さんは 小さかったばあばの事
本当に可愛がってくれていたんだなぁ・・
と思ったんだよ

© ささきけいこ


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