bばあばと話そうよ 第3章

ボンジュール マダム

お元気ですか。
今日は風も穏やかで、春らしい一日でした。
出勤の道すがら見上げる浜松城の桜は
今を盛りに咲き誇り、
朝の光に輝いておりました。
そして帰りの道すがら見ますと、
ライトアップに映え、幽玄の美しさ・・

国破れて山河あり
城春にして草木深し
そんな詩が頭を過りました。

戦禍ではないけれど、自然の災害で
日本の半分が壊滅状態・・・
原発事故も併発・・・
こんな状態の中から
どうやって再起したらいいのだろう

この一月間、お客様や、取引先の方々と
色んなお話をしました。 

実は、あの阪神淡路震災の後、
今だに関西方面の経済は、かってのような
活気を取り戻せずにいるのです。
でも先日、出張で大阪へ行ったまり子社長が
メーカーの担当者さんが
「東北の人達の分までがんばって
日本を再起させなければ・・」と言ったので
涙が出そうだったと話しておりました。

店では「浜松まつり」が取り止めになった事が
浜松の経済にどんなに大きな打撃を与えたか
をひしひしと感じます。

凧職人を抱えている店屋さんの方々
酒屋さんの方々
お弁当屋さんの方々
飲食店の方々
ハッピやユカタを誂える着物屋さんの方々
それを縫うお針子さんの方々
宿泊施設の方々
タクシー業界の方々
祭りが大きいだけに受ける打撃も大きい・・。

そして何より 初子さんたち・・。
浜松まつりは、本来
子供の誕生を町を挙げて祝おう・・とする
お祭りなのです。

店という仕事は、様々な業界の方と
お話する機会を得ます。
皆が異口同音に言った事は、
「東北の人達を支援する為にも
無事でいる私達が、一生懸命働かなければ
いけないのに・・。
それにお祭りに参加する人全員に
東北復興の支援金を出していただいたら
沢山集められたでしょうにね・・。」
という言葉でした。

戦後、総てを失った処から再起し
復興してきた日々を見ている私にとって、
人が生きていく上で、
日常の憂さを忘れたお祭り騒ぎでの
笑いや、歓びが
どんなに大事な事かが分かるのです。

この夏 東北では、お祭りも花火も全部
やろうと決めたそうです。
東北の人々が培ってきた この強い精神力に
頭が下がります。

東北への支援、日本の復興・・
これからの長い道のりを思う時、
私は、皆の心が決してへこたれない様
明るく、前を向いて歩ける様
心してお客様と接していこうと思いました。


それでは、連載エッセー [心の糧Ⅱ] 
第15回目をお贈りします。

bばあばと話そうよ 第3章


ばあばと話そうよ 第3章

ある科学者が こんなお話をするのを
聞いた事があるんだよ

「自分は科学的な現象を解明する時
文学的に深く考えることによって
それを解き明かす事がよくある・・」って

文学的って
つまり
人の心の動きが 
その人にどんな現象を生むか・・
それが 
周りの人に 
しいては世の中に
どんな波紋を広げ・・
どんな影響を生むか・・ってことを
心を通して 
掘り下げていく事だと思うけど

ばあばは 
「ウーム ナルホド」と考えながら
科学的な現象も
人間世界の現象も
この同じ地球上に生まれ
変化しながら
存在していくものだもの
きっと 共通項があって
「心の動き」は
すべての
キーワードなんだろうと思ったよ

心は動くものなんだよ
何にも知らない赤ちゃんで生まれて
見たり聞いたりしながら
人は心を成長させていくんだね

だけどねぇ 
己一人が経験する事なんて
この広い世の中にあっては
ちっぽけなものなの

よく意見が違うことで
喧嘩している人達がいるでしょ
怒りがエスカレートして暴言を吐いて
大喧嘩になったりしてねぇ・・・アッハッハ

でもね
良く考えて見れば
相手は喧嘩になるほど 
その事について
一生懸命考えているということなんだよ
だから
そう云う時こそ
その人の意見の真意というか
意見の土台となっているものに
耳を傾けてみる姿勢が
大事なんだよ

ばあばはこの歳になって
「そうだったんだ・・」って分かった事があるの
人と人との間で大切な事は
聞く耳をもつ事なの

たとえ 自分とは意見が違っていても
相手の言うところの
意見の裏打ちとなる「訳」を
じっくり聞いて
その事について考えて見る・・

そういう姿勢をもつ相手には 
人は 
落ち着いて
真剣にお話出来るものなの

面白いもんでしょう
「落ち着いて 真剣に お話出来る・・」
そんな相手には
人は 心を開いて お話出来るものなんだよ
そうして 人と人との結びつきの上で
一番大事な
信頼関係が生まれるんだよ

大事なことは 
正論で相手の口を塞ぐ・・とか
言い負かす・・とか云うもんじゃないんだよ

相手が悪けりゃ仕方ない・・とも思うけれど
そんな時 ばあばは
昔読んだ新聞記事を思い出すの

ある女子大生を誘拐した犯人の話なんだけど・・
人を誘拐して身代金を取ろうとする人など
根性の曲がった相当の悪人だと思うけどね
ところがその悪人が捕まった後
「もし許されるなら 彼女ともっと話がしたい・・」
と言ったという記事が載っていたの

ばあばはね その記事を書いた記者さんの事も
面白いなぁって思ったんだよ
だって普通なら 
犯人が逮捕された事だけを 書くものでしょ
余程 犯人の言った事が胸に響いたんだろうね
ばあばもね その女子大生が犯人に
「どんな話をしたんだろう・・」と 
時々思い出しては 考えていたの

そんな若いお嬢さんが
哲学的な事を言ったとも思えないし
戒めの言葉じゃ 悪人の怒りを誘うだけだし
? ? ?・・・
考えても 考えても 判らないけれど
ばあばは 皆とお話しているうちに
あぁ これだけは確かだろう・・って思ったの 
それは 
お嬢さんが 聞く耳を持っていた・・って事


ばあばは この歳になっても
「解らない・・」んだよ
どうして こんなにも素晴らしい「人間」が
国中を悪人の塊と化す「戦争」というものを
引き起こすのか

戦争を無くしたいばあばは 
もっと真剣に「聞く耳」を持って
様々な歴史やエピソードを
もう一度 自分なりに
紐解いてみよう・・って思ったの
そうして 人々の「心の動き」を
じっくり考えて見ようと思うんだ・・


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