ルンルンお掃除で 思い出したこと

さんまり

2011年02月22日 14:23

ボンジュール マダム

お元気ですか?
早くも、今年の秋冬の展示会が始まり、
定休日を利用して出かけました。

途中、新幹線の中から見た富士山の
きれいだったこと・・                                                                                        

フランス製のCHACOK(シャコック)は
お店では大人気。
ここの色使いはパッションがあり、
見るだに、体に力が湧いてきます
さすが芸術の都からのファッション・・・

サンマリーでの展示会は、
4月13日~17日に予定されました。
乞うご期待!楽しみにお待ち下さいね。

エスカーダ(ドイツ製)の秋冬物展示会も
素敵なスーツが一杯あって、 
うれしくなりました。

世界中を覆った不況の嵐の中で 
それぞれのメーカーが、
地に足をつけ、
ここならではの感性を磨いた、
実に素晴らしい作品を作り上げていました。

ファッションを通して、人間の内なる力、
復活の力を感じた一日でした。

春夏物のお洋服が一杯入ってきました。
明るくカラフルな色合いで
お店の中は一足早く春です。
どうぞ楽しみにお出かけ下さいね。


それでは、連載エッセー [心の糧Ⅱ] 
第10回目をお贈りします。



                    絵 ゆうこう


   ルンルンお掃除で 思い出したこと

ルンルン お掃除しながら
ばあばは こんな事を思い出した・・・
ばあばが中学生だった頃
お父さんに付いて
豊橋の本多さんのお宅で開かれた
お花見の会に出かけたのね
いっぱいの人がいて 
幾人か仲間になって ゴザの上に輪になって
桜の花をめでながら
御馳走を食べたり 歓談していたの

「加藤さんは お偉いですなぁ
毎晩夜中までお仕事なさって御苦労ですなぁ」
と 隣の輪の一人が 
顎鬚のおじいさんに語りかけたの
ばあばが振り向くと お父さんが
「あの方は加藤唐九郎さんだよ]って
教えてくれたんだ
唐九郎さんの名前は有名な陶芸家として
ばあばだって知っている程の人だったの

唐九郎さんはそれに応えて こう言ったのね
「イヤイヤ 
ぼくは好きな事をしているんだから
夜中までしたくなってしまうのは
当り前の事だよ
苦労なんて思うどころか
面白くって
楽しくって
夢中になってやってるうちに
つい夜なべ仕事になってしまうんだよ」

ばあばは 大学生の頃の事も
思い出した・・・
下宿先のおばさんが
「私はこの仕事が好きでねぇ 
これをやり出すと 
止まらなくなっちゃうのよ
ご飯食べる時間が惜しいほどにね」
おばさんは刺繍のお仕事をしていたの
おばさんは 何時も
色とりどりの刺繍糸に囲まれて
口元に笑みを浮かべながら
うれしそうに針を運んでいたっけ・・・

お仕事と子育てでクタクタになっていた頃
お手伝いしてもらった家政婦さんの事も
思い出した・・・
はたきをパタパタかけながら
掃除機をグォーグォーいわせながら
お鍋をゴシゴシ洗いながら
[私はねぇ この仕事が大好きなの
だってきれいになっていくの イイジャン
気持ちがスカッってするじゃん」って
目をキラキラさせながら言っていたっけ

そんなこんなを思い出しながら・・・暮れになり
大掃除もしないのに
美しくなったお家の玄関に
じいじが一生懸命 門松を付けているのを見て
「ようし 来年も『ちょっとずつ』の
積み重ねで行こう」って心に誓ったんだよ

そうしてそれから どんなに忙しい時でも
たとえ一分間でも
どこかの掃除をするようにしていったら
何時もきれいなお家でいられるようになったのよ

ねっ 何時あなた達が遊びに来ても
ばあばのお家 きれいでしょ

©ささきけいこ